「サーバントはお役目御免になったわけか。お前はいるだけで仕事をしていなかったからだな!そういう日がくると思っていたよ」 西野剛は歯に衣を着せず、容赦ない。 朝帰りをしたのは一昨日である。 何か言葉にいえないことが起こったことはさっしているようだが、具体的に何があったかは剛は追求しない。 日々希がサーバントをはずされたことにより、いままでアジールに拘束されていた時間がぽかりとあくことになる。ルームメートの剛には、疑問に思われる前に伝えることにしたのである。 あの夜、一体何があったのか。 実は日々希の記憶ははっきりしていない。 タイマッサージをアジールにしていた。 途中で身体が熱く気分が悪くなったのは覚えている。 その後の記憶はとぎれとぎれで、思い出せるものといったら赤面ものの、和寿との触れ合いである。 場所は、アジールのところのベッドだった。 どうしてアジールの部屋で、和寿とそういうことをすることになったのか思い出せない。 翌朝、自分とザイードが解任されたことを、和寿から告げられたのだった。 和寿に理由を聞いた。 「ザイードはアジールを怒らせた。ザイードは帰国することになるだろう。ひびきはそのとばっちりを受けた形だけど、今でもひびきがいてもいなくてもいい状態なんだ。別に、やらないほうがいいだろう?」 「怒らせたって何を?和寿としていたことと関係している?」 いてもいなくても、との言葉にはひるむがその通りである。日々希は思い切って聞く。 和寿は鼻白んだ。 「大いに関係している。もう、あんなことはないから安心しろ」 和寿はそれ以上語ろうとしない。 何度も思い返しても、身体を重ねたイメージは和寿とのものでしかないので、アジールのベッドでアジールと交えて三人で、というわけではなさそうである。 和寿はザイードに腹を立てていた。 和寿が真相を語