(76)※④アラブB国媚薬

3433 Words

強い快感の荒波に、日々希は持ち上げられては落とされることを幾度も繰り返していた。 「まだ、正気に戻らないか?」 和寿の声が遠く聞こえる。 汗だくの和寿の体がそこにあった。 開かれ突き上げられ、揺すられながら、そして落とされながら、日々希は自分でない誰かが喘いでいるのを聞く。 苦しそうでいて、切なそうな声で、その声に重なるような和寿の荒い息遣い。 どうしようもなく気持ちの良いところを攻められて、すぐに次の大波が日々希を再びこれ以上ないほど高く持ち上げる。 「イけ」 とてもあらがえない、魅惑的な声が鋭く命令する。 とたん、日々希は押し寄せる快感に脳の奥まで痺れ、歯をくいしばって耐えながら、もう白濁もしない透明なものを吐き出した。 心臓はバクバクと打ちならされ全身が汗だくだった。 日々希のからだの上に、さらに汗だくの体が重く覆い被さる。 息が熱く荒い。日々希の胸の鼓動と覆いかぶさる胸が弾み合った。 「和寿!?」 まだ脳も体もしびれるような快感の余韻が続いている。 喉がからからで声がかすれた。 まるで、ずっと喘いでいたかのようだった。そこでようやく、先ほどの切ない声が己の喉から発せられていたことに気がついた。目を開くとつうっと涙が流れていく。 どうやら泣いていたようである。 「……ようやく正気に戻ったか」 「き、今日は週末だった……?」 平日の夜は体を重ねることはない。 翌日に支障をきたすこともあるからだ。 だが違うような気がする。 日々希の記憶が混沌としていて、核としたものをつかみとれない。 今日は何月何日だったか、曜日もよくわからない。 「俺もようやく頭がハッキリしてきた。5回目でようやく抜けきったようだ。あれは相当キツいな」 和寿はいいながら、日々希をシーツにくるんで抱き上げ、ベッドから降りた。 成されるままに、日々希は和

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