ということで、たこ焼きを焼き続けた初日宵祭りの夕刻。 屋台はパインもたこ焼きも落ちついてきていた。 目の前の特設舞台では、 今でもVES(バーチャルエレクトロニックスポーツ)の第一試合が延々と続いている。観客も減る様子はなかった。 明日は第一試合に勝ちぬいた半分が進む。 勝ち抜き戦で、3回勝てばもう決勝戦となる。 学院祭のパンフレットのスケジュールには明日の決勝戦の前に、ゲストのジュリアとエグゼクティブスマイルのショーがある。 その後に、秀樹のいっていた人気投票で上位に入った生徒のグループとエグゼクティブスマイルとのエキシビションVES対決があると、でかでかと書かれている。 学生たちの人気投票はもう始まっていた。 エキシビションの次が、優勝者を決める決勝戦、そして表彰式、会場を大広間に移してのダンスイベントとなる流れである。 明日は今日よりも盛り上がるだろう。 屋台を続ける剛らを残して、日々希は総合1の教室に行く。 南野理事代理との一件は、なんだかんだ言いながらも、自分から墓穴を掘ったような気がしてならなかった。 冷静になって思い返すと、西条や和寿に手伝ってもらって仮装をがんばりなさいというのは、扮装を二人に手伝ってもらったらいいだけで女装でなくてもいいはずだったが、二人が女装をしていたので、一足飛びにそういう方向に考えてしまったのだ。 つまり、日々希は自分から、南野理事代理のアドバイスを女装だと決めてしまったのだ。 女装をした時の滑稽さや、似合わなさ、異様なものを見る好奇な視線を四方八方から集めると思うと、いまから腰が完全にひけてしまう。 今すぐどこかに走って逃げたい気分である。 だが、西条と和寿は日々希を逃すつもりはなかった。 がんばれよ!と元気に送り出す剛たちをこれほど恨めしく思ったことはない。 総合1の衣装室では、西条と和寿の衣装