和寿と太一の世界に割り込んできた者が藤日々希だった。 はじめは、気にも止めなかった。 次第に、和寿を見ると、視界に凡庸な日々希が入ることが多くなっていく。 太一が話したくても一度も話したことがないのに、和寿と気軽に話をしている。 太一には、和寿がこの凡庸な少年のどこが気に入ったのか全くわからなかった。 この外部から入り込んできたパンピーの少年は何者なのか、掲示板の結果がでたその足で、情報室に行く。 情報室は衛生中継のネットワークで世界に繋がっている。ネットワーク環境もデバイスもコンテンツもこれでもかというほど豊富にそろえられている。 隣の部屋は図書館で、週刊誌や雑誌、漫画本、ビジネス雑誌、週刊誌といったあらゆる情報がこの一角に濃厚に集積している。もちろんデジタルコンテンツも豊富である。他と隔絶された学校であるために、世間の潮流に乗り遅れないようにする情報は豊富に用意されている。 その価値がわかるものにとっては意味があるのだが。 情報室では、他人からは背後にまわらないと見えない壁際のモニターの席を確保する。 太一の特等席である。 太一はキーを打ち始めた。 まずは藤日々希の基本情報から。 寮長レベルのセキュリティーを破ることで確認できる。 家族の名前、住所等を確認しようとするとなぜかブロックされてしまった。 個人情報レベルが上がったのかと思い、自分の個人情報で確認する。 藤日々希の場合と違い、家族構成や、年齢職業、緊急連絡先などボロボロでてくる。 念のため、クラスの適当な数名で確認する。太一と同じようなものである。 もう二段階上のレベルで入り直すことにした。 教師の上、理事のレベルのセキュリティーをするりと抜ける。 この段階で、各教科の成績や先生の私見や講評が確認できる。 藤日々希の試験の結果は完璧ではないが、平均95ぐらいの良い点数が