そして祭り二日目朝。 開始早々、恐れていた番狂わせが起こる。 外部からの20代柔道黒帯に、山南仁志の背中に土がつく。 「すまない……」 仁志は土俵の土を強く握りしめた。 昨日の死闘で体は既にあちこち痛め、朝になっても強張っていて万全ではなかった。 それでも、挑戦者が現れれば神前土俵にあがる。 そして、出会い頭に背負い投げられたのだ。 前回王者の藤恭一郎は厳しい顔。 親友の敗北を見ても微動だにしない。 「山南、よくやった!」 負けても好敵手の連日の健闘を称えた。観客たちの拍手が山南仁志を迎える。 前回王者は頼りになる守りを失い、向後一切の勝負において、身一つで戦うことになったのである。 そこで運営側からアナウンスが入る。 「挑戦者の皆様にご連絡です。昨年の竜神に勝負するのに資格を設けます。50枚以上、確保なされますように」 ざわざわと境内はざわめいた。 最短で王者の首を取ろうとした者たちからの不満の声である。 新たなルールが追加されたのだ。 すかさず、海斗は声を張り上げた。 「俺は15、持っているぜ!」 「俺は10枚。対決するか?」 外部からの一人が名乗りあげた。 ざわめきを打ち消した、次の勝負の始まりは海斗となる。 地元の名士の山南の親父が破れた無念の姿を見せつけられ、地元の勝ち残っていた男たちの間で視線が飛び交う。 ムラの男たちで潰しあうのではなく、まずは協力して外部からの挑戦者を潰すべし! 先の竜神を守り、最後の挑戦者は自分達の中から出す。 そして今年の竜神もムラの男がなるのだ! 思うことは皆同じだった。 即座に無言の同盟が結ばれたのである。 そして、ムラの娘は境内から遠ざけられていた。 万が一、外部の男が竜神になった場合、目についたムラの娘を巫女に指名することも考えられたからだ。 どこの馬の骨かわらない男に