普通の高校と全寮制の大和薫英高校との違いは、まずは多彩な授業科目にある。 通常の授業に加えて、最近のグローバル社会に対応した国際政治学、国際紛争学、経済学、宗教理論、プログラミングなど専門性を深める選択科目なども多く、必須の授業さえ及第点をとっていれば、好きなタイミングでいくらでも選択可能である。 これらの選択科目は、かなり柔軟に対応できるらしく、優秀な生徒が必要とすれば、授業科目を増加させることも可能である。 全ては必要があれば、である。 外国語も英語の他に、ヨーロッパ諸国、中東諸国、アジア諸国など第三言語として選択可能であり、教師陣もネイティブが揃う。高校の授業とは思えない多彩ぶりである。 授業は単位制で、優秀な成績を納めれば、超難関国立大学にも進めるルートが備えられている。 授業に関してさらに特徴的なのは、体育の科目の多さとその授業数の多さである。 各種球技、柔道や合気道といった体術、剣道、弓道、馬術、など多岐に渡る。 見込みがあるとされると、全国大会に出場する選抜コースもある。 心技体の精神を実現するには、現代人は体をないがしろにする傾向が顕著であり、体と心が作られる若者にこそ、勉学に匹敵するぐらいに体育および芸術が必要であるとの学院の方針である。 全ての学生が寮で寝泊まりしているのと同様に、教師は別の家屋の教師棟に寝泊まりすることになっている。 他の日本の全寮制高校のなかでも他に類もみないほど学院内と外部との接触は禁止されている。 WiFiを使った通信機器は使えず、校舎や寮ごとにある情報室および、衛星通信を使ってのネット利用に限られている。 学生たちは、外部の友人たちと連絡を取りたかったり、ネットを利用して調べものをしたいときには、24時間開放されている情報室を利用しなければならなかった。 SNSで、学院内部の情報漏洩を防ぐためとも、有