番外編3、①お好み焼きパーティ

1822 Words

夏休みが終わって二学期がはじまって一週間がたったころ。 寮の受付窓口で、西野剛のルームメートの藤日々希は荷物を受け取っていた。 抱えるほどの大きさの再利用の段ボールは傍からみていてもかなり重そうであるが、ふたりで抱えるほどのものでもなさそうである。 なんとなく男子寮の入り口で一緒になって部屋に戻ってきたが、しばらくして「うわああ!なんだコレッ!!」と素っ頓狂な声が205号室にひびく。 剛は着替えもそこそこに、ベッドに体を投げ出してゲームの続きをしていたのだが、あわてて身体を起した。 「なんだよ、また何か変なものが送られてきたのか?」 ルームメートは剛の知る限り、厄介なヤツにみこまれがちで、次いでに厄介ごとに巻き込まれがちという特技がある。 今回もまたなにか、叫びたくなるような異様なものが送り付けられてきたのかと、心配するよりも好奇心が先に立つ。 藤日々希は床に置き開いた段ボールの前でのけぞっている。 西野剛は日々希の背中からのぞきこんだ。 乱雑に新聞を丸めたものを緩衝材にして、肌色の太くて長い物体がのぞく。 肌色は良く見ると鳥肌のように黒い点が点在していて、そこから栄養不良の体毛が生えているかのような、ヒトの脛かなにかと錯覚するようなものが、でんと鎮座していた。 切断された生足でも入っているのかと錯覚しそうになる。 「ヤマイモじゃないか?それ」 と剛は冷静にいう。 日々希は新聞の中に紛れていたカードを見つけた。 裏庭ですごい自然薯、掘りました。 みんなで食べてね。あなたの母より 「どうするんだよこれ。由美子さん、寮で一体僕にコレをどうしろと……」 脛ではないが、巨大なほりたて生食材を前にして日々希がわなわなと震えている。 「自然薯って天然ものだろ?あの自然ならこのサイズはありそうだな!こいつは旨そうだな。すりおろして醤油を垂らしてご飯

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