(33)※ 恐怖心が消えるまで

3032 Words

「ほら、言えよ?俺から逃げ回った本当の理由」 和寿は空いた左手を日々希の顔にあてる。 顎に中指がかけられ上を向かされる。 親指で唇を撫でられた。 そのまま食われるように、唇が重ねられる。 「やめ……っ」 「暴れるな。怪我するぞ」 顔を背けようとしても逃さぬように押さえられた。 熱く柔らかな舌が差し込まれ、日々希の舌を探り絡む。 気持ち良さに、和寿の舌の動きに合わせて日々希の舌も動きだす。 「……ほら、ひびきのココ、こんなになってる」 窮屈さに体をよじらせた。ズボンを押し上げ、ひびきのそれは存在を主張を始めていた。 「これは、違う!生理現象だ」 必死に言うが、意識し始めたらもうだめである。収まる気配はない。 「違うって?男とつきあえないといっている体ではないんじゃあない?」 和寿はちょいちょいと膨らむそこをつつく。シャツのボタンを外していく。 ズボンも引き下ろされた。 その首筋の感じやすいところに熱くぬめる舌が這わせられる。乳首も撫で擦られる。 その手が腹を滑り降りて、日々希のそれをパンツの中に手をいれて触れようとする。 それから行われることを期待する自分と、抵抗できないまま、好きにされることに恐れおののく自分がせめぎあった。しかもどうしようもないことに、この自分のからだは和寿が与える快楽を既に知ってしまっている。 「う、へあ」 ひびきの口から思わぬ声がでる。 それを聞き、はたと和寿は止まった。 ぷっと吹き出した。 「それ、色気ない」 「色気なんかあるわけないだろ!これ外せよ!もう、いいだろ!」 日々希は涙目である。観念した。 これ以上は無理だった。 「なら、逃げ回った理由を教えてくれ」 「わかった。言うから。僕はド田舎だけど普通に育って、普通に女の子を好きになって、いずれそんな子と結婚して……って思っている、ほんとう

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