大浴場に居合わせた学生たちは、はじめて和寿が訪れたとき仰天した。 それが連日になると、物珍しさもおさまりあからさまに驚くそぶりは見せなくなる。 ただし、以前と比べて噂を聞き付けた学生が入りにきているのか、日に日に人数が多くなっているようだった。 脱衣所で和寿はさらっと脱ぐ。 その成長しきってはいないが程よく鍛えあげた美しい体を隠しもしなかった。 見られることに慣れていて己の美しさに自信を持っているために、身体の全てを一目にさらすことに羞恥を感じないのだろうと日々希は思う。 男同士とはいえ眼のやり場に困る。大浴場のルールを教えるのも誘った自分の役割と思い、タオルを腰に巻いてもらったのだが。 洗い場は30以上あり、湯船も巨大である。 二十畳以上の広さのサウナ室も完備され、シャワーブースも10個以上ある。 この日は既に10人程が浴室内の湯船や洗い場にいるようだった。 日々希は体を洗い終えると湯船に浸かり、湯に全身を預けた。 先にサウナに入っていた和寿は、日々希の近くの湯に入った。 「ああ、気持ちいいな」 和寿も頭を淵にもたせかけいう。 湯から上がる和寿を、見るとはなしに日々希は見る。 本当は遠慮なく直視したいのだが、さすがに男同士とはいえぶしつけだと思う。素肌に湯を滴らせる和寿の身体は美しいと日々希は思うのであった。 「こんなに気持ちがいいことを知らなかったなんてな」 満足げに和寿がいった。 ふうっと息をはく姿はオヤジで笑える。 「でしょう?」 そういう日々希も体の芯から温まっている。湯を掬ってかるく顔に流すと肌はつるつるである。 目を細めて和寿は日々希を見ていたが、ふと視線をそらせた。 日々希はつられてその視線の先を追おうとする。 和寿の気をひいたものが何かわかる前に、その手が伸びて日々希の顎をとらえた。 「そっちでは