大和薫英学院の学院祭はクラス単位だけではなくクラブやサークル、5人以上あつまれば一つのチームとして参加できる。 大きなクラブなら、複数に分かれてのグループで独立して参加をしてもいいし、両立が可能であると自分が思うならばクラブでもクラスでも、複数のチームに参加するというツワモノもいる。 全員は、その参加意欲が多くても少なくても、何かのチームに所属することになっている。 会場は、教室、音楽室、体育館、運動場、乗馬場、庭園内。 どこでもチームのイベント会場にすることは可能である。 チームごとに、リーダーの元、やりたいことのアイデアを練る。 企画立案し、実行計画書を作り、予算を立てる。 企画書は運営委員会で審議がかけられ、予算を配分され、その予算内で当日までの準備や会場の設営、片付けまで行うことになっている。 今年は40ほどのチームができていた。 チームの数だけ選出されるリーダーが、定期的に開かれる運営委員会に参加する。 運営委員会の委員長は、自薦他薦を問わず名乗り上げたもののなかから全校生徒に一番多く承認された者がなることになっている。 通常はこの委員長の元で、10名ほどの運営委員を任命して己の補佐役とし、この大和薫英学院のビックイベントを成功に持っていくのである。 運営委員長として、補佐役として、リーダーとして、チームとしてどのように頑張り結果を残したかは、成績表という形では残らないが、社会に出るときに企業などから参考とされる個人能力として、記録されていると生徒の間では都市伝説のように噂されている。 大和薫英学院の学生たちが創意工夫を凝らした学院祭には、父兄に加えて、特別に招待された友人の参加が許される。 この閉ざされた学校の学院祭は、近隣の学生たちは一度は参加したいと思う、謎の祭りであり憧れの、知る人ぞ知る学院祭となっているのである。 今年の委員