和寿の他にも黒服が一人降り立ち、ヘリは離陸する。 黒服はいかにも和寿の護衛だった。強風にあおられても整髪剤で固めた髪は一筋も乱れない。 黒服は、和寿の荷物なのかヴィトンのボストンをもっている。 和寿は神社の参道を見た。つまり、日々希と海斗の方を。 空から降りたった侵入者に、呆然と立ちすくむ二人に近付いてくる。 磨かれた革の靴に、藍染の麻のジャケットと真っ白のパンツが清々しい。 ジャケットがヘリの風にはためき、その下のインナーは日々希とお揃いのシャツが覗く。 日々希も同じシャツを着ていた。 何度も洗ってもへたれない、縫製のしっかりした綿のシャツで、日々希のお気に入りである。 こうして改めて竜崎村にやってきた和寿を見ると、都会から戻ってきた同級生たちや都会から遊びに来たその友人たちとは自信といい気品といい、まったく別もののような違いがあった。 日々希は、この三週間の間に和寿がこの村にいる姿を幾度となく想像したことがあったが、想像以上に竜崎村の景色のなかに紛れ込んだ異分子であり、背景の田畑の景色と合わなかった。 そして、海斗はヘリ降り立った男が日々希と同じシャツであることにやがて気が付くのだろう。 真っすぐ歩いてきた和寿に、背後で海斗がたじろぐ気配。 どうどう、と海斗は愛馬をなだめた。だが意識は、和寿に向かっている。 「竜崎神社はこちらか?」 まるで、駅はどこかと道行く人に尋ねるかのように、和寿は日々希に聞く。 「そうだけど……」 日々希は答える。 サングラスをしたままの和寿の表情はわからない。 日々希を探し出して会いに来てくれたのだろうと思う。 それにしては和寿の態度が変ではないか? 夏休みに入る前まではあれだけ日々希にまとわりついていたのだ。 海斗が抱きついてきたように、日々希を抱き締めてもいいのではないか? 日々希は挨拶もなく分